【効果測定】数字は見ていた。でも、読めていなかった、という話
毎週、数字は見ていました。
広告のレポートを開いて、GA4のグラフを眺めて、「ふむふむ」と言いながら画面を閉じる。
それを、何ヶ月も続けていました。
でも、何も変わらなかったのです。
問い合わせは増えない。改善のアイデアも出てこない。なのになぜか、「ちゃんとやっている感」だけはある。
あとから思うと、あれは「数字を見ていた」のではなく、「数字を眺めていた」だけでした。美術館で絵画の前に立っているのに、作者も時代も何も知らないまま「きれいだな」と思って帰る、そういう状態だったのです。
(まあ、それもわるくないけど)

「見る」と「読む」は、違いました
当時、よく見ていた数字はこんなものでした。
セッション数。クリック数。CPC。表示回数。
どれも、それ自体は正しい数字です。間違ってはいない。
ただ、これらは「何が起きているか」を教えてくれる数字ではなく、「何かが起きている」ことを教えてくれる数字でした。
体温計で37.5度を見て「熱があるな」とわかる。でも、なぜ熱が出ているのかは、体温計だけでは教えてくれません。
数字も同じでした。
クリックが増えていることはわかる。でも、それが「良いクリック」なのか「ただ迷って押しただけのクリック」なのかは、クリック数だけを見ていてもわからない。
そのことに、ずいぶん長いあいだ気づきませんでした。
ゴールから逆算して、見る順番を変えました
変えたのは、見る数字ではなく、見る順番でした。
それまでは「全体のアクセス→流入元→各ページの数値」という順番で見ていました。つまり、入口から出口に向かって眺めていた。
これを逆にしました。
まず「問い合わせが発生したページ」を確認する。次に「そこまでどう来たか」を見る。最後に「どこで止まっているか」を探す。
ゴールから逆算して読む。それだけで、見え方がまるで変わりました。
たとえば、こういうことがわかってきました。
アクセスが一番多いページと、問い合わせが一番多いページが、まったく別のページだったのです。
人気者と実力者が違う、みたいな話です。クラスでいちばん目立っている子が、体育祭で活躍するとは限らない。
それまで「よく見られているページ=良いページ」と思い込んでいました。でも実際には、問い合わせにつながるページは別にあって、そこへの流入が少なかっただけだったのです。
見る場所が変わると、やるべきことも変わりました。
「人気ページをもっと伸ばそう」ではなく、「問い合わせにつながるページへの導線を増やそう」へ。
施策の方向が、ようやく定まった感じがしました。
数字の変化と、印象に残っていること
導線を整えてから、数字はこう変わりました。
セッション数は微増。CV率は2.2%から3.1%へ。問い合わせ数が増加。
大きな跳ね方ではありませんでしたが、「何が効いたのかが、自分でわかる」ようになったことが、いちばんの変化でした。
以前は、数字が動いても動かなくても、理由がわからなかった。だから、次に何をすればいいかも、わからなかった。
読めるようになると、数字が「報告」ではなく「会話」に変わります。
「ここで止まってますよ」「ここから来た人は動きやすいですよ」と、数字の方から話しかけてくるような感覚になるのです。
印象に残っているのはこれです。「データは増やすより、読めるようになる方が先だった」ということ。
ツールを増やして、指標を増やして、レポートを厚くして。そういう方向に行きたくなる気持ちはわかります。でも、読めない数字は、積み上がるだけで判断の役には立たないのです。
まとめ
中小企業の広告効果測定で詰まるとき、原因はツールでも数字の量でもないことが多いです。
見る順番と、見る目的が整っていないだけだったりします。
まずは、この順番で見てみてください。
(1)問い合わせが来ているページはどこか。
(2)そこへの流入はどこから来ているか。
(3)途中で離れているのはどこか。
この三つがつながって見えるようになると、次にやるべきことが自然と見えてきます。
数字を「眺める時間」を、「読む時間」に変えるだけで、同じデータがまったく違う意味を持ち始めます。
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「眺める時間」を、「読む時間」に変えて、データを改善に活かしましょう。
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